
劇団昴の「修道女」の公演が終了しました。
この芝居の評価は、幕内ではあまり芳しいものではなかったのですが、いざ幕を開けてみると観客、批評家の評価は珍しく高いという結果になりました。
僕の長い演劇歴の中で、今回のように多数の役者が褒められた例は記憶にないほどでした。なかんずく僕としては、相手役である若い修道女たち全員が褒められたことは何よりもうれしく誇らしいものでした。
短い公演期間中でしたが、修道女たちの追っかけが出現、7回も鑑賞してくれたとのことでした。
尊敬すべき演出家、ジョン・ディロンが、先年の正月「谷間の家」の配役を決めるために訪れた時に、彼が突然僕の目の前に現れ、
「今回の芝居は若い役者のための芝居なので、君が出てくれると、若い人たちが元気になるんだけど」と言われた。僕はその時、別の芝居の配役がすでに決まっており、若い役者たちへの影響などは考えてもいなかったので、ただ、どぎまぎするだけであった。。ジョン氏はがっかりしたように「身体でも悪いのですか?」と言っていた。
その時のジョン氏のすぐれた洞察力を持った予見が、今回の公演に生かされるかどうかが、修道女という若い集団との共同作業に生かされるかどうかが、僕の課題でもあったのです。それは僕の芸術家としてのひとつの賭けでもあったので、今回の劇評は何よりもうれしく誇りに思えるものになりました。
その中でも何よりもうれしかったのは八場の評価でした。この場では作品の極限状況を表出すべく、若い役者達は高い理解力を示し、心理的にも肉体的にも、またある時には高度なアクロバティックな演技を自然にさりげなく織り込んでくれました。
もちろん、まだまだ不満は残るものですが、もし再演が許されるのならばかなりの前進ができると思っています。。でも、現実はそう甘くないに違いありません。周囲の不可解な抵抗は抜きがたいものがあるからです。